日本国の危うさについて(2)

日本国の危うさ、脆さについて、その根本的な問題は、核心がなくなってしまったことにあると言ったが、具体的に見てみましょう。

 

最近起こったいくつかの事象を取り上げてみると

 

金融、経済面では、株価の上昇があります。この株価の上昇については非常に意図的な、長期的視野のない脆さが見え隠れしています。

 

そもそも現在の日本経済をみてみても株価が上がる要素は全く見当たりません。

 

日本の貿易収支は赤字であり、海外の株式投資も昨年は買い越しでしたが、今年度になってからは売り越しです。

 

また、政府が国民の年金や、郵貯からは取りつくしたので、さらなる国民の財布を狙って作ったNISAは蓋を開けてみたら国民が踊らず、投資する人が思ったほど増えない状態に政府は困っています。

 

そもそも、税制度的にもわずかの資本所得に対する非課税をちらつかせて株式投資に誘い出すやり口が気に入りません。

 

国家が株価の上昇を先導し、国民をたきつけ参加させておいて、損失に関しては知らんぷりなのでしょうから。なけなしの庶民の金を吸い上げる資産家、核心的な政策能力がない政府のための行き当たりばったりの付け焼刃の政策にすぎません。

 

おそらく国民がそれに踊らされないのも政府のやり口を学習してきているのだと思う。

 

日本銀行による株式の買い取り、年金基金による株式投資など、ありとあらゆる手立てで見かけ上、株価を上げているのが現状だと思われますが、所詮は核心がないため、おそらく株価が下がってくるのも時間の問題と思われ、そのつけは結局、政府に踊らせて投資した国民自身、表面的には隠している年金基金の損失、最終的には国家の財政破たんへと回ってくることは間違いないことだと思う。

 

先日の国会答弁で安倍さんが年金基金が35兆円利益を上げたなどと発言されていましたがおそらく、年金基金が買い支えている現在の偽りの株価の中では利益が上がった形になっているのでしょうが、結局、基金の資金、自らの資金で上げ、見かけ上資産が増えているだけのことではないかと思う。ある意味で国家詐欺に近いものを感じる。

 

以前にも話したが年金資金は国民の貴重な国民自身の財産であり政府が一時期の国家政策のため利用するものではない。まず失敗して損失を出すのは間違いないのだから。

 

結局、いいように海外投資家初め、資産を保有している人たちに株式投資を通じて大切な基金が流れてしまっているだけのことなのです。

 

安全保障に関しても、憲法9条の拡大解釈、改憲への流れが強まってきています。

 

今回のイスラム国や、ウクライナなど世界各地で多くの戦闘が行われ、世界中どこでテロが起きてもおかしくない状況になってきています。

 

世界全体が混とんとして何が正しいのか、安全保障とは何なのかがわからなくなっています。

 

そんな中で我が国は今、憲法9条という核心を捨てて、何の核心も持たない国家に成り下がろうとしています。

 

私は先に述べた経済面でもそうだし、安全保障面でもそうなのだけど、私たちは資本主義社会が行き詰まり、格差社会、戦争による多くの人々の迫害が生じている混とんとした時代だからこそ、核心を持たなければならないのです。

 

核心のないところに心落ち着ける、心豊かな社会は存在しえません。

 

多少物質的には恵まれてはいるが、薄っぺらな、不安定な社会を選ぶのか、物質的、利便性では欠けるけれど精神的には多少でも安定的な社会を選ぶのか。

 

今、私たちは、それを問われているのだと思う。

 

2015年3月16日  文責  世界のたま                 sign

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