先日お話ししたデカルト以降の近代精神の形成の中で、更なるおバカな国民への流れを決定づけているものは、自然科学の発達の中での、人間の自然に対する驕りである。
新自由主義、経済至上主義、グローバリゼーションの下での、環境破壊は、その典型であるが、遺伝子組み換えなどの自然の摂理に対する侵犯、地球上のあらゆる自然が人工化されてゆく中で、自然はそれを押しとどめるべく、地球温暖化による異常気象、海面上昇、多剤耐性菌、ウイルス、そして人間の細胞の癌化、あらゆる手段を講じて人間に対して、自然へのより戻しを行ってきている。
地球という星そのものも、所詮は宇宙という大きな自然の中での一つに過ぎない。そんな小さな地球という星の上で人間が何をしようと全体からすればたいしたことではない。宇宙という大自然の中では、例え自然のより戻しの中で人間という種が絶滅したところで、おそらく何もなかったかのようにただ過ぎ去ってゆくだけであろう。
ドーピング問題でゆれるオリンピック、島の領有権でもめるASEAN首脳会議、テロが頻発するヨーロッパ諸国、様々な問題が世界で起きている。それらは所詮、人工的で取るに足らないくだらない問題にすぎないが、少なくとも現実的な問題である。
数多くの現実的な問題がある中、一方で、ポケモンという架空の生き物を求めて多くの人々が街中をさまよっている。私は街中を多くのゾンビがさまよっている光景を重ねていた。
彼らに共通しているのは生ける屍、心がないのだ。
彼らの出現は、人間の潜在的な逃避行動なのか、それはわからない。ただ一つだけ言えることは、更なるおバカな国民へのGOだという事実だ。
平成28年7月27日 文責 世界のたま