現在、我が国ではTPP交渉が山場を迎えている。
私は思うのだが、基本的にはTPPなどに参加するのは反対である。交渉が決裂することを望んでいる。
TPPはグローバリゼーションの一手段に過ぎない。関税撤廃の方向で進んだところでその先に待っているのは、EUが良い例だと思う。国家という存在を国民が否定する方向に考えない限り、TPPはうまくいくわけがない。
もしTPPがうまくいったとしても、国内的には、大企業を中心とする、TPPにより利益が上がる企業、輸出産業や、医療分野で言えば、アメリカの大手の製薬メーカーが目論んでいるような特許の延長による利益の独占、その恩恵に預かろうとする社会的レベルの低い国内製薬メーカー(患者や、国民の医療費負担のことなど全く考えない)、それらの一部のいわゆるずる賢い人間が利益を上げるだけのことだ。
多くの国民にとって何の利益もない。一見、安く物が買えるような錯覚をするのだけれど、その代償は何かといえば、強権的な国家統制と、民主主義の崩壊、農作物などの国民にとって最も大切な必需品の自給率の低下だ。
たとえば、TPPと同時に国家という存在も薄れてゆくのであれば、世界中の人々がお互いに尊重し合っていける保証があるのであれば、いいのだけれどそのようなことは決してなく、その逆だ。
上手くいっているうちはいいが、政治的な問題が生ずるとたちまち、自給率の低い国はお手上げになってしまうか、今の日本のようにアメリカの属国に成り下がってしまうかどちらかです。
他のブログで書いているが、今を見るのではなく、5年先、10年先、子供たちの未来をどう予測して、今を生きる私たちが、そのために何を選択すべきかを考えないといけないのです。
今の政治家、企業家にないのは、本当の意味での時代を見る目、自分自身のことより、自分たちの子供たち、将来の国民のことをどこまで考えることができるのか、いわゆる、道徳感だ。
TPPと安保法制、特定秘密保護法、おそらく多くの国民はこれらそれぞれ何の関係もないことのように考えていると思う。
TPPを推し進めてゆこうとする勢力は、これはどの国でも同じことなのだが、それぞれの国の中で富を得ている人たちが更なる富を求めて政治献金をはじめとするあらゆる手段を講じて政権を動かしている。
そのために、TPPなどで被害をこうむる人たちは切り捨てられてしまうのです。たとえTPPを推し進めることで将来の国民にとって、国家にとって損失がでるとわかっていても、それらを考える勢力など無視し、排除されてしまうのです。はっきりしているのは、切り捨てられ、排除される人々の方が、圧倒的に多く、民主主義の観点から言えば、多数なのです。
すなわち、多数を無視し、少数者の一部の人のための政治が行われているのです。
多数を抑え込む国家体制、すなわち民主主義の否定です。
現在、我が国、日本で、起きていることはまさにそのことなのです。
一部の富や権力がある人たちのために民主主義を否定した社会をつくるために国内的に、何が必要かといえば、徹底的な情報管理です。そういった意味で特定秘密保護法は不可欠になってくるのです。
国外に目をあててみると、TPPの推進で国際的協調が進むかと思いがちになるが、所詮、それぞれの国家の中で富ある者たちのエゴでできている仕組みでしかないため、お互いの協調などあり得るはずがないのです。当然、彼らは国家という組織を守ろうとするためそのためには安保法制に基づく軍事力の増強が不可欠なのです。
私たちが今、将来の子供たちのために何を為し、何を残さないといけないのかを考えた時、私は思うのです。
まず第一に守らないといけないもの、残さないといけないものは民主主義なのです。そこを出発点として考えなければならない。民主主義を守っていくうえで次に必要なのは当面、手段としての国家なのです。
そうした中でTPPは捨てるしかないのです。