社会保険制度の崩壊と新たな制度の提言

日本の社会保障制度を振り返ってみると1959年4月に国民年金法案が可決成立、1961年4月からはすべての市町村で国民保険事業が実施され国民皆保険、国民皆年金制度が開始され今日に至っている。

その後、2000年に介護保険制度の導入も加わり  それらが高齢化社会の中で社会保障費用の急速に増大し、赤字国債の増大、国の債務の増大を引き起こしている。

日本の社会保険制度はすでに崩壊しています。

これから私たちはどうすべきでしょう。

そのためにはまず具体的に現在の日本の社会保険制度の特徴を見てみる必要があります。日本財政の現代史Ⅱの中でわかりやすく指摘されているのでここに引用してみましょう。

1. 社会保険制度が2012年の社会保障支出に占める割合は91.5%となっており 租税を財源とする政府の一般財政よりも巨大な別個の制度になっている。

2012年度の中央政府の一般歳出額は約51.2兆円であり、地方交付税と国債費を含めた歳出総額でも90.3兆円であったが、社会保障全体の支出予算は109.5兆円であり、中央政府の歳出総額を上回っている。

なお、前者の一般歳出においても社会保障関連費は半分以上の26.4兆円を占めており、そのうち7割以上にあたる約20兆円以上が年金、医療、介護など社会保険への国庫補助金に充てられている。生活保護、児童手当、児童・障害者・老人福祉サービスに対する中央政府の支払いは、残された約6兆円の財源から行われている。

2. もう一つの特徴は、高齢者への重点配分である。高齢者の年金保険が社会保障の支出の49.1%、さらに高齢者向けの介護保険を合わせると57.2%にもなる。医療保険においても医療費のうち65歳以上が55.4%、75歳以上が33.3%を占めている。

租税資金による生活保護も2011年の時点で約150万世帯の42.5%、約63万世帯が65歳以上の高齢者世帯で医療、生活保護の実情をふまえると社会保障費の7割以上を高齢者向け給付が占めている。

3. 三つ目の特徴は、つぎはぎによる国民皆年金、皆保険であるということです。

年金に関して言えば、一階部分の国民年金と二階部分の厚生年金及び共済制   度からなる二層型の体系となっています。

具体的には勤務時間など一定の条件を満たした正規従業員は二号被保険者として厚生年金の適用対象となる。彼らは一階部分の国民年金(基礎年金)部分も含めて所得に対して定率の保険料が労使折半で徴収される。

また彼らの配偶者は、年間所得130万以下という条件で、三号被保険者として扱われ、保険料なしに国民年金保険料納付者として扱われる。

それ以外の自営業者、農家、無業者、多くの非正規雇用のものは保険料を全額自己負担した上で一号被保険者として一階部分の国民年金のみが適用される。

医療保険においては健康保険組合を提供する大企業の正規従業員はこの保険に、それ以外の正規従業員は全国保険協会に加入することになる。正規従業員に関しては保険料を労使折半で負担する。

これらの一定の条件を満たす従業員以外のものは国民健康保険の対象となる。

次に、こういった特徴をもつ日本の社会保険制度が崩壊している理由だが3つあげられており私もその通りだと思っています。

1. 高度成長の終焉  1956~73年まで長期にわたり実質成長率年度平均9.1%と極めて高い水準にあったため財源が豊かであったが1991~2010年では平均0.9%と十分の一に落ち込んでいる。

2. 人口の高齢化  65歳以上の人口の割合は1970年が7.1%だったが2010年には23.0%に増加 日本の社会保障制度は高齢者向けの給付、サービスに重点が置かれているため人口構成の変動に影響を受けやすいのです。

3. 社会情勢の変化  65歳以上の高齢者のみの世帯が1970年では3%だったが2010年では20%に増加、女性の労働力率が1975年では42.9%だったが2010年には77.1%に増加、非正規雇用者の割合に関して1982年では16.8%だったが2007年には33.5%に増加、合計特殊出生率に関しては1970年が2.13だったが2010年には1.39と低下し少子化の進行。

これらの日本の社会保険制度の特徴と社会情勢の変化が社会保険制度の崩壊を招いているわけです。

ではどうしていけばいいのか、かつて小選挙区制度導入の中で政権をとった民主党が未納問題(一号被保険者の国民年金保険料の納付率は1992年の85.7%から2010年には59.3%に低下している。この傾向は特に若年者に著しく25歳から29歳の納付率は半分以下の46.6%となっている。また国民健康保険の保険料滞納世帯は2010年時点で対象全世帯の20.6%に相当する436万世帯に及び事実上の無保険者とされる資格証明発行者世帯は33万世帯となっている。(日本財政の現代史Ⅱより))を含めた年金制度改革を行おうとしたが失敗に終わっている。

問題を整理してみましょう。

みなさんもご存じのように国、地方の借金は毎年のように増え続けて1000兆円を超えて今現在も増え続けています。

社会保険制度の特徴で述べたように毎年の通常の一般の国家予算が90兆円に対し1000兆円の借金の返済などのためその中で40兆円必要で残った50兆円のうち26兆円は年金などの社会保険制度維持のための補助に使われているのです。

年金、医療、介護費用は増え続けており、保険料だけではまかなえず、穴埋めするための国の補助金も増え続けており、その結果、国、地方の借金も1000兆円を超えて増え続けています。

もはや、日本の国家予算は事実上破たんしているのです。

誰が考えてみてもこのままで成り立つわけはありません。

では何が変えられるのかを逆に考えてみましょう。財源が豊かにできればよいのですがアベノミクスのように一時的に麻薬を投与したところで体がぼろぼろになるだけで長く持ちません。

東京オリンピックなどで浮かれている場合などではないのです。その経済効果などでごまかしている時ではないのです。根本的な外科手術が必要なのです。(本当に自分たち、一部の人のことしか考えてないレベルの低い政策ばかりです。)

先ほどから言っているように、我が国には莫大な1000兆円を超える借金があり、毎年国債の償還のため一般の予算が制限されて、年々その額は大きくなっています。

また、少子化の中で制度を支える人の数自体が減少してゆき、一方では目的を持たない高度化した医療、場当たり的な介護保険制度の中で、支えなければいけない人口は増えています。

小子化に関しては鶏と卵で、将来の展望のない社会保険制度が変わらない限り困難と思われどっちが先なのかという堂々巡りになるだけのことです。一方の少子化対策だけしたところで意味のないことくらい、いくら馬鹿な政治家でもそろそろ学習すべきです。

財源はない、人口動態の改善も望めないとすれば解決方法は自ずから導かれるというか、それしかないのです。

一つは何とか財源を作ることです。経済成長について言えば、これ以上の経済成長の継続は世界情勢の中で困難です。事実、貿易収支も赤字が続いています。結局、消費税のアップ、無駄な公共事業、国会議員、地方議員、公益法人の削減を徹底的にすることです。

そしてもう一つは社会保障費(生活保護費も含めて)を減らすことです。このことについてはあらためて述べるつもりにしておりますが給付費の削減、自己負担を増やすしかありません。予算全体の提言の中であらためて提言しようと思いますが、本来、日本財政が目指していた小さな政府です。

そして欠かせないのが制度自体の改革です。社会保険に関して言えば租税を財源とした基本的には一本化しかないと思われます。

医療保険、介護保険に関しても高齢者重視なのか 若年者重視なのかというより、人間本来の医療の在り方、真の生命の尊重とは何なのかと目的を考えた時、必然的に答えは出てきます。

大雑把に提言しましたが私自身どう考えたところで方法はそれしかないと思われます。

それらをすることで、景気の低迷、所得の減少、生活苦を招くことは避けられないでしょう。特に制度改革の中では現在の共済、厚生年金受給者にとっては必然的に大きな減額にもなるでしょう。多くの方々の不満が生じるでしょう。

しかし、あえて言わせていただきます。現在の日本社会の悪循環を断ち切るためにはそうするしかないのです。このままの制度を続けたところで無年金者、無健康保険者が増え続けるだけで、生活保護の増大という形で結局、国家予算を圧迫して日本国そのものの首を絞めてしまうだけのことです。

若い世代のためにも私たちが今しなければならないのです。

いつまで、私たちは見て見ぬふりを続けてゆくのですか?

そうするためには何が必要か、裏返せば何故それができないのかというと、私が主権者への提言、世界への提言で述べていることに尽きるのです。

主権者自身が個を捨てて全体を考えられるのか、個を捨てた真の代表者を主権者が選べるのか、答えは意外と簡単なのです。私自身、あなた自身の中にあるのです。

 

平成26年9月21日    世界のたま             sign

 

 

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