私たちが犯している過ち(グローバル化の否定と内包化)

新年あけましておめでとうございます。(かなり遅くなりましたが)
今年の正月は久しぶりの日本晴れの中での元旦を迎えることができ、日本全国でそうであったように私自身もきれいな久々の素晴らしい初日の出を見ることができました。

そうした中、新年を迎えても私たちは新たな過ちを犯し続けている。その中で、私たち多くの人間はそれらの過ちに対して無関心を装い、他者との共存を否定し、近代以降の贈与を否定した人間中心主義の最終章への道を着実に歩み続けていると思う。

今年に入って私たち人間が犯している過ちについてお話しておこうと思う。
まず第一に私たちが犯している間違いはグローバル化の否定(特にトランプ氏が言っている)の中身である。

今年に入って私たち人間の視野は加速度的に狭くなっている。トランプアメリカ新大統領が演説の中で語ったアメリカ第一主義に代表されるグローバル化の否定などによる国家主権の強調が世界中で起きていることが原因である。

私自身、今までのブログの中でもお話ししていることだがTPPなどの従来型の安易なグローバル化は間違いであると思う。いわゆる大企業中心の経済中心のグローバル化は国家の存在を否定しない限り間違いなく立憲民主主義の否定、即ち、国民の人権の侵害につながってしまうからだ。

視野狭窄に陥った国家や、人間の末路は人類の歴史が証明しているように第一次世界大戦や第二次世界大戦であり、何度も今までも言ったように、その先に待っているものは人類の最終章に他ならない。

それでは視野狭窄に陥ってしまっている原因であるがこれも何度も言っていることであるが手段としての経済を目的化してしまった経済第一主義である。

今回のトランプ現象が起きた理由の一つに過去のブログで述べたように経済格差がある。皮肉なことだと私は可笑しくなるが、今回の大統領選でトランプ氏に多くの票を投じたのはマスコミや有識者が予想しなかった経済的に底辺の白人層の存在だ。普通に考えれば経済格差の頂点のトランプ氏と底辺層の白人がつながるとは思えない、それどころか反目し合うのが一般的だ。

しかし現実的にはつながった。とはいっても所詮は一時的にしか過ぎない。アメリカの誰かは忘れてしまったが、著名な方が所詮はトランプ氏の政策に多くの支持したものは幻滅することになるだろうと述べっていたが、私もその通りだと思う。

相いれないトランプ氏と白人底辺層が結びついた原因は底辺白人層の国民の政治的無知と彼らの切迫した経済格差による困窮的な生活、そして民主党政治家、民主党支持者の政治的無知、のみならず、共和党政治家、共和党支持者、一般有識者、マスコミすべての政治的無知、歴史感覚のなさであると思う。

実際に経済的底辺層の白人層とトランプ氏が一時的にであれ結びついたことは逆説的であるが経済的格差が極限状態まで来ていることを意味すると私は思う。彼らは格差が拡大する一方の従来型のそして選挙前の民主党政権による政治に何の希望も見いだせなかったのである。

トランプ氏は富の中で生きてきた人間であり、所詮手段でしかありえない経済そのものを目的として考えている人間である。経済だけを考えれば人間は豊かになり幸せになれると信じている単純なおバカな人間である。このことは我が国のおバカな総理、政権もそうなのだけど。

かつてのナチスがそうであったように、また我が国の第二次世界大戦前の状態がそうであったように所得格差の中で底辺の国民の所得を引き上げる方法として根本的な所得の再分配機能の見直し、貨幣とは何なのかという貨幣の持つ意味の再考をしないとすれば、向かう先は必ずグローバル化の否定、一国中心主義、すなわち他国を犠牲にしたうえでの自国の底辺層の所得確保以外に道はない。

過去の歴史から私たちが学ばなければならないことは限られた資源の中での富の再分配の在り方である。今のトランプ氏のアメリカ第一主義は、所詮、歴史の繰り返しである。

そこで私たちが考えなければならないのが例えば今回のアメリカ大統領選に関していえばトランプ氏ではなくクリントン氏が、民主党が政権をとればよかったのかという問題ではないということだ。問題なのは先日も話題となったように世界の上位資産家8人の合計が世界のすべての人口の下位半数の所得の合計と同額になるほど経済格差が拡大している現実の中での富の再分配が問題なのであって、誰がアメリカ大統領になってもどうでもよいことなのです。これはトランプ氏というアメリカ大統領の適格性の問題でなく、共和党、民主党という小さなコップの中の問題なのではなく、私たち、世界中の民が迷路に迷い込んでしまっている問題であるということです。

今回のアメリカ大統領選の中で、トランプ氏が当選し、TPPを拒否し、メキシコとの国境に壁を築き移民を排除して富をアメリカに集中することで経済的底辺の白人層に分配しようとする考え方は歴史を繰り返す愚行にすぎず、その結果は歴史が証明している。

今、私が懸念していることは世界がトランプ氏個人に問題があるように考えていることである。トランプ氏は単なる富の象徴でしかないと私は思う。

問題なのはトランプ氏自身にあるのではなく富の集中、そのことにあるのです。世界中の現在の制度の中で富を得ている人たちは、トランプ氏個人に世界の目を当てさせ、根本的な問題から目をそむかせようとたくらんでいる。

私たちは無知な国民から目を覚まさなければならない。

アメリカにおける共和党なのか民主党なのかが問題なのではなくて、日本における自民党なのか、民主党なのかが問題なのではなくて、私がこのブログを立ち上げた時に一番最初に書いた主権者への提言の中で述べたように、私たち一人一人の価値観こそが問われているのであって、私たち自身の価値観を変えること以外に解決の手段がないことを私たち自身が認識しなければならないのです。

富の集中からは何も生まれないことを、経済中心主義、経済発展そのこと自体を目的とした社会は地球環境を破壊し、人類を含めた生物の存在基盤を破壊してしまうことを認識しなければならない。

富の集中は私たちの生存権、知る権利、即ち基本的人権を侵害することを、蓋し、立憲民主主義においては説明責任が不可欠であるが、トランプ氏自身が一方的なツイッターでの発言を好み、トランプ政権が記者会見で一方的な発言のみで反論、質問を許さず記者会見を終わらせたり、我が国においても現在開かれている国会での安倍総理、麻生副総理が野党の発言中に談笑しながら早くしゃべれとヤジを飛ばし嘲笑している姿は、富の集中が説明責任を要さない社会を形成してきていることを如実に語っている。

そんな中で私たち日本国民が歩んでいかなければいけない道とは何なのであろう

まず安倍政権がどうであるとかいうレベルの低い問題ではなく、安倍政権が、そして無知な私たち国民が失いつつある立憲民主主義の再確立、そして当面はその上に立った国家主権の確立である。格差社会を助長する現在の経済を中心とするグローバリゼーションを否定する一方で、立憲民主主義に立った国家主権の中に、すなわち個の中に全体を見る、立憲国家主権国家の中に、世界を見る、言わば、グローバリゼーションの内包化である。

人間の本来の生きる目的である自己実現、そのための自己統治、そしてそのための最たる手段である真の意味でグローバリゼーションを内包化した日本国憲法の順守、そのための司法の独立

それが正義であり、私たち日本国民が歩まねばならない道である。

  平成29年1月30日  文責  世界のたま

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